President file
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明治測量設計株式会社
代表取締役社長  大関 竜太郎さん

農地の測量設計を基幹に、
「食」「介護」へと新事業を展開

10年前から「JC」水戸青年会議所に所属。次期理事長に就任することが決定した。「JC」といえば経営者の集まりというイメージが強いが、今後は一般の方にもどんどん参加して欲しい。とくに主体的・能動的な女性の参加者を歓迎!みんなでつながって、地域を元気に楽しくしたい!趣味はサッカー、フットサル。

Owners Company
明治測量設計株式会社
TEL.029-259-2824
水戸市内原町907番地7

2代目を継ぎ、父の背中から学ぶ先見の明。
人のつながりから生まれたニーズを形に―。

  農地を対象とした測量設計や登記、建設コンサルタント全般を請け負う『明治測量設計株式会社』の2代目、大関社長は8年前に飲食業界にも参入。ほかに高齢 者向けの介護ビジネスを立ち上げるなど、新規事業に積極的に取り組んでいます。基幹事業である測量設計の本社は、家族経営からスタートして現在の社員数は 19名、ひたちなか市や小美玉市、城里町にも支店や営業所を構え、着実に業績を伸ばしています。「元々は父が創業した会社で、これまで公共事業への依存度 が高かったのですが、時代も激変して、いつ仕事が減るとも限らない。それと2代目の宿命でしょうか。ある程度の結果を出さないと、なかなか世間から評価さ れないんですよね」と、苦笑いします。「測量」と「飲食」と「介護」、一見すると畑違いの業種と思われますが、基幹事業のつながりから発生したもので、知 人や顧客からの相談を受ける中で展開していくことになりました。「弊社は店舗の建築設計も手掛けていて、建築デザインという立場から新規のレストランや居 酒屋の立ち上げに関わることで、企画段階から店のオープンに至るまでのノウハウを知ることが出来たんですね。全く知らない分野だったら、恐くて手を出せな かったかもしれません」

 水戸市泉町に店を構える創作和食の店『維新』は、開業して8年。景気に左右されがちな厳しい業界の中でも、着実にファンを増やしています。「お客様にも スタッフにも恵まれました。やはり人との"つながり"って大事ですよね。みんなで一緒に作り上げていくというプロセスを大切にしてきました。無理に媚びる ようなサービスをすることなく、自分達の信念を貫けば、自然にファンになってもらえるのではないでしょうか。何といっても"クチコミ"が一番ですから。そ れと、スタッフに対しては、「いいね!」と思ったことはどんどんマネをするようにアドバイスしています。一般にはオリジナリティを追求する傾向が強く、マ ネすることに良くないイメージを持たれますが、世の中に出回っている商品やサービスのほとんどはマネからアレンジしたもの。全く新しい発想から生まれるの は極少数です。まずは徹底的にマネをして繰り返すうちにオリジナルなものに進化していくのだと思います」

 また大関社長は、優秀なスタッフにはどんどん独立して活躍の場を広げて欲しいとエールを送ります。将来独立する意思がない人は採用しないと、冗談交じり で言うほど、いい意味で開き直りの姿勢です。「ご縁があって一緒に働いた仲間ですから、ここでの経験を糧に、さらに羽ばたいて欲しい。互いに切磋琢磨する ことで、ビジネスがさらに大きく広がると思いますよ」

 飲食事業と同様に、介護事業もニーズが高まり、基幹業務である土地家屋の登記申請を行う中で、高齢者の顧客から相続問題や将来への不安を打ち明けられるなどして、必要とされるサービスを見出すことにつながりました。
「介護だけでなく、障害者の就労支援活動も進めています。きっかけさえあれば、彼らは存分に能力を発揮できます。たとえば、私の父は社長を退いてから農業 に従事していますが、障害者の方に農業の指導をしたり、そこで収穫された農作物を『維新』が仕入れて料理に使う。自分達が作っている野菜だから、安全安心 で美味しいと、自信を持って提供出来ますし、各事業部をつなぐ理想的な経営の循環が生まれる訳です」

 父親の背中を見るとき、たまたま偶然なのか、これからの時代にまさに必要と思えることを、いつも先取りして実践しているなあと、感心することもしばし ば。性格も考え方も正反対で、しょっちゅう対立したそうですが、自身が経営者となって初めて父の苦労が分かり、その偉大さに感謝の念が湧いてくると、素直 に語ります。

 「長年に渡り公共事業を請け負ってきたことは、世間からも評価され、大きな信用を得ることにつながりました。父は何事にも慎重なタイプで、堅実に仕事と向き合ってきましたが、その土台があるからこそ、自分は自由かつ大胆にチャレンジ出来るんですね」

 大関社長は来年、水戸JC(青年会議所)の理事長に就任することが決まり、ますますアグレッシブな活躍が注目されそうです。「JCには10年ほど前から 参加していますが、先輩や仲間達からビジネスヒントや人生の教訓を得られる大切な"場"です。今回大役を仰せつかり、身が引き締まる思いです。地元の経営 者の皆さんとつながり、自己研鑽に励み、地域の活性化のため、さらに精進していきたいです。青年会議所は経営者の集まりと思われていますが、これからは一 般の方にもたくさん参加して欲しいですね。特に女性の柔軟な発想には思いがけないアイデアが隠されていることも多いので、部署や肩書きといったものにこだ わらず、若い社員や主婦の方にも参加していただきたいと考えています」

 現在37歳、今はまだ途上なので、失敗を恐れずに行動していきたいと意欲満々。2代目社長のチャレンジはまだまだこれからです。

Pick up Success in IBARAKI

“覚悟と行動力さえあれば全て実現できる”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
若いうちは都会や県外に出るのもいい経験だが、起業するならぜひ出生地でして欲しい。それが地域への恩返しになるから。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
積極的にかつ慎重に情報収集を心がける。それ以上に必要なのは、動くこと。計画する以上に動き出すことが大事。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
一番の広告塔は“クチコミ”。人と人との“つながり”を大切にする。紙媒体やWEBの広告は継続掲載が必須だが、飽きさせない工夫が必要。

これから起業する方への一言

“世の中は全て投資!”

世の中は全て投資!投資といってもお金だけではありません。時間も投資です。時間は常に未来へと進んでいて、一秒足りとも過去に戻ることはない。だから、未来に向かって準備しましょう。怖れずに動き出せば、必ず変化は起こります。 やるしかないんだ!という強い覚悟があれば、必ず成功できると信じています。

■起業は生まれ育った地域への恩返し
■考えると同時に行動せよ
■未来のために投資を惜しまない



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