President file
27

ディスクロードコーポレーション
代表取締役  松田 典夫さん

不動産と飲食業。
二つの顔で事業展開

笠間市(旧友部町)出身。水戸の専門学校卒業後、ソニー販売(株)入社。31歳で独立。不動産業の傍ら、自らの店でバーテンダーとして酒類を提供。船舶免許 も持ち、海を愛する。また青年会議所時代から13年間欠かさず、都内のセミナーに通い勉強を欠かさない。住まいの情報館として友部周辺の不動産情報は群を 抜く。

Owners Company
ディスクロードコーポレーション
TEL.0296-78-3439
http://diskroad.com
笠間市東平2-12-6

地域ナンバーワンを目指して笠間・友部地区の不動産を活性化
右上がりの成長を続ける秘訣は「誠実」

競争の激しい不動産業界で起業して20年。松田社長の独立は弱冠31歳のときでした。「私は28歳のときに父親を亡くしました。そのため長男として家を継 いで守ることになりました。そのためにこの業界で独立する決意をしたのです」と、脱サラして畑違いの業界へ飛び込みました。

 高校、専 門 学校を卒業後、松田社長は大手電機メーカーであるソニー販売株式会社へ就職。営業エリアである茨城、千葉県内を拠点として、大手電気店などにソニー製品の 販売営業を手掛けます。ソニーショップやソニーとの代理店契約を結ぶ店、大手百貨店などに当時ヒット商品となったウォークマンなどの音響機器などを販売。 「大手電気店などが新店舗出店する際には応援に行き、店頭で自社製品の販売を経験しました。この経験がお客さまとのコミュニケーション能力を高めたことに なりました」と営業のノウハウを学び、その間に独立のため宅地建物取引主任者の資格を取得。大企業のサラリーマンの道を脱して、地元の不動産会社で1年間 修業を積み、晴れて独立・起業を果たしました。

 松田社長は「この世界は人と人とのつながりや情報がすべてです。とにかく人脈づくりに 励 みました」と起業当時の苦労を語ります。人脈を築くために、地元の笠間青年会議所に入会、さらに子どものPTA活動などにも積極的に参加。本業以外でのボ ランティア活動に汗を流し、着々と地元の人々との交流を深め、社業へと結び付けていく努力を怠らなかったのです。

 「青年会議所での人 脈 はとても役立っています。当時、青年会議所がきっかけで行くことになった都内でのセミナーは3カ月に一度行っているのですが、青年会議所を卒業した現在で も13年間にわたり通っています。これは人間形成に役立っていますね」と現在も会社経営のための勉強を欠かさない姿勢をみせています。

 独立当時は、バブルがはじけた時代でした。どん底の中でのスタートにもかかわらず、その人柄と積極的に地元に溶け込む姿勢が幅広い信頼を受け、右肩上がりの成長を果たしていきました。

  「昔の不動産会社とは違って物件を紹介するだけではなく、今はお客さまのローンの相談や保険のことなども無料で相談を受けています。また、財産分与にかか わる法律的なご相談や遺産の処分など県外に出かけることも度々あるのです」と多忙を極める日々が訪れるようになりました。

 「会社は何度か移転をし、現在の自社ビルを持つことができました」と松田社長。平成19年に新築された友部駅近くの社屋は不動産会社とは思えないほどのおしゃれな建物で独特の雰囲気の店舗です。

  その訳は「実は不動産会社以外にも飲食店を経営しているのです」と松田社長。「私はもともとお酒が好きで、日本バーテンダースクールに通ってバーテンダー の認定を受けました。水戸のバーでもお世話になって、平成20年にこの店舗の2階にバーを開業しました」とびっくりするような副業を明かしてくれました。

 なんと2階は「Bar Un jour」として友部では唯一といえる本格的なバーを展開。松田社長自らがバーテンダーとなってカウンターの中に立ち、さまざまなカクテルやウイスキーなどを提供しています。

  「営業は金曜・土曜日に限られているのですが、いろんなお客さまに来ていただいています。女性が一人で来られることもあるんですよ」と松田社長。さらに 「不動産業というのは大きな金額が動く為、神経を使う職業です。バーテンダーになってお酒を作り、お客さまとコミュニケーションを深めることがストレス発 散にもなっています」と仕事の疲れを別の仕事で解消するというダブルワークの利点を活用していたのです。

 その一方、不動産業界に限ら ず 日本の経済は震災の影響もあり底冷えの状態です。松田社長は「リーマンショックが足かせとなり、ギリシャにおけるEUの経済危機などグローバルに経済がぶ れています。日本の震災や風評被害で地価は下落が止まりません。でもそのようなときこそチャンスなのです」と、不動産購入を希望する消費者へお得な情報を 提供してくれました。

 「地価は底値で一番安い状況です。さらにさまざまな税制上の補助や助成制度があります。金利も安い。そのうえ国 会 では消費税の増税が実現しそうです。その消費税が実施される前が絶好のチャンスです。消費税が上がればさらに消費が冷え込むのは必至です。家を新築しよう とするのであれば現在が一番安く、良い条件で取得できるのです」と力説します。大きな買い物となる土地や住宅で消費税が3%上がるだけでも負担ははかり知 れません。増税後の生活を考える上でも大きなアドバイスとなります。

 精力的な毎日を送る松田社長は家電の販売経験や不動産業を通じて 「物を売るのは家電も不動産も同じことです」と言い切ります。それは会社の経営も営業もたったひとつの言葉でした。松田社長はそれを「誠実」という2文字 で締めくくりました。会社経営にかかわらず、人間として生活していく場面でも欠かせない言葉でした。会社と人が成長する原点がディスクロードコーポレー ションの「誠実さ」にありました。

Pick up Success in IBARAKI

“成長の秘訣は「誠実さ」。口コミが一番の営業手段”

質問1 茨城は起業するのに適しているか?
不動産業の場合、保守的な土地柄なので大手が入りずらいところがある。土地の取引は信頼される人に依頼される場合が多いので、保守的な土地では向いているかもしれない。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
私の場合は資格を取り、地元の会社で1年間修業させていただいた。人脈づくりも欠かしてはいけない。その努力を怠らないでほしい。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
不動産でも飲食店でも一番強いのは口コミだ。派手な広告活動はしていないが、どんな場面でも誠実に対応することで顧客を広げていくことができる。

これから起業する方への一言

“仕事を楽しもう”

一度決めたことは成功するまであきらめないこと。失敗を恐れないこと。正直であること。一度決めた仕事を明るく楽しむことが大切だろう。独立するからにはチャレンジ精神も忘れず、仕事を楽しもうと言いたい。

■人脈づくりは発展の礎となる
■お客さまに誠実に対応することを欠かさない
■不動産購入は今が最大のチャンス



写真を右に1つ進む

写真を左に1つもどる