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学習・進学指導 アプス
塾 長  川崎 一さん

人間の可能性は無限。その力を子供たちに伝えたい

神奈川県出身。4人家族。10歳と8歳の女の子の父親。趣味はクルマ、ドライブ、旅。塾長の仕事のほか、大工の棟梁と一緒に邂逅舎(かいこうしゃ)を立ち上げ、自然素材の住宅と薪ストーブの販売を行う。美容業界や芸能界で活躍する実弟の事業も手伝う。塾では生徒達から「ハジメ先生」と慕われ、個性的なキャ ラが人気。

Owners Company
学習・進学指導 アプス
TEL.029-240-3003(代)
http://aps.vc/
小吹教室 水戸市小吹町2423 /水戸駅南教室 水戸市白梅3-1-29 /酒門教室 水戸市酒門町薊谷原2916-6

子供たちの学力低下を憂えて一念発起
地質調査学者から塾長へと転身、心の教育を最優先に

 日本の子供達の学力レベルが著しく低下?!そんな話題がメディアでも度々取り上げられ、教育現場が揺れています。ゆとり教育も撤回され、多くの子供たちが放課後に塾通いをしているにもかかわらず、なぜ子供たちの成績は上がらないのか?

  「ちゃんと勉強をすれば、間違いなく成績はあがりますよ。ちゃんとね」と、至極シンプルに答えてくれるのは学習塾「アプス」のオーナーであり塾長の川崎一 さん。川崎さんは水戸市内に3校の塾を運営しています。派手な看板や広告は出さず、生徒募集のチラシを年に一回配布するだけ。広告宣伝費は年間収入のわず か2%というから驚きです。ちなみに業界における広告宣伝費の相場は12~15%。とにかく広告を打たなければ生徒を集められないというのが業界の常識で す。

 「大手の塾と同じことをやるつもりはありません。生徒を希望の高校や大学に合格させることが目標ではあるけれど、決してそれがゴールではない。その先を見ること。つまり"なんのために"勉強するのかを、ここでは教えたいんです」と川崎塾長はおっしゃいます。

 川崎さんは異業種から現在の地位に転身。前職は東京にある大手の地質コンサルタント会社で、地質調査や研究のために全国を飛び回っていました。転勤で茨城に移り住み、今の奥様と出逢って結婚。そして人生の転機が訪れます。

  「次の転勤の辞令が出たとき、犬を飼っていました。都内で犬と住めるところを探すのは難しかったし、単身赴任は絶対にしたくなかったんです。だから会社を 辞めちゃったんです。」と、潔いというか余りにもあっさりとした決断。同じ頃、学習塾でアルバイトをしていた奥様から子供たちの学力の酷さを聞かされま す。

 「たとえば『1000円の2割はいくらでしょうか』という問いに生徒の大半が『500円』と回答するなど、見るにも聞くにも堪えな い有り様。茨城の未来、ヤバイぞ~って」。大学時代に家庭教師のアルバイトの経験もあり、教員免許も持っていた川崎さんは、元々人に何かを教えるのが得 意。「地質研究は純粋に趣味でやればいい。何より塾は夜の商売でしょ。だから、昼間は好きなことやっていいよって言われたのも魅力でしたね」。その思惑ど おり、川崎さんは昼間の時間を有効活用し、大学のスクーリングで建築設計を学びながら、自然素材の住宅や薪ストーブを販売したり、料理や美容、健康に関わ る事業も同時に運営したりしています。自分がいろいろな業界に関わることで、それぞれの仕事のおもしろさを体験でき、その魅力を子供たちに直接伝えられる ことが楽しいと言います。

 「基本的には、みんなが将来経済的に困らないようにしてあげたい。学力を上げるのは当たり前のことで、学力以外の能力を引き出してあげることが重要。その部分をサポートしたくて塾をつくったのだから」。

 アプスの資本金は約4万円。一般には、ある程度まとまったお金がないと起業は出来ないと思われがちですが「お金もコネも無くても、やれば出来るということを見せてあげたかった」と川崎さんは語ります。  

 何事も経験が大事で、子供たちに"経験"を語れる講師を採用しているのもこだわりの一つ。勉強はもちろんですが、心の教育はもっと大事だと言います。「人間の可能性は無限だし、世の中にはもっとおもしろい世界があるよって、教えてあげたいんです」。

  子供がある方向を向いたときに、一気にモティベーションが上がる瞬間があるそうです。いわゆるセレブの話をすると、目をキラキラ輝かせて食い付いてくるの だとか。「弟が美容の仕事をしているのですが、クライアントはモナコやハリウッドの一流と呼ばれるセレブたち。世界的セレブと親交を持つことや国家の機密 に関わる仕事に就くことも全然夢じゃないんですよね」。

 華やかな世界を楽しげに語る川崎さんですが、実は過去につらい記憶があります。 「母親が大病を患ったとき、治療のために借金をした上に、家族が様々なトラブルに見舞われて、父親と弟妹合わせての借金総額が1億円を超え、大変な貧乏を 経験しました。だからね、貧乏ってものすごく辛いんだぞーって話を、心の底から出来るんですよ。でも家族で力を合わせて全額返済しました。生きる力さえあ れば、人生何でも出来るって信じられるのは、そんな自分自身の経験があるからです。だから今の子供たちに一番身につけて欲しいのは"生きる力"なんです」 と熱く語ります。

 生徒の親御さんからは、勉強だけ教えてくれればいい、希望校に合格させてくれればそれで十分と言われることもしばしば です。しかし、川崎さんは"おせっかい"をやめません。人生や夢について語ることが、勉強の動機づけになるからと言います。「なんのために勉強するのか、 それに気づいた子はすごいですよ。今、東大大学院に通っているうちの卒業生が、生意気そうに日本の将来について語るんです。アプスに来る前は思いもしな かった進路を取った子どもたちが、本気で日本を変えたるぜ~みたいな話を日常にしている風景。どうですか?ワクワクしませんか?」。

 これまでのノウハウの蓄積によって、幼児期から大学院までの一貫指導も可能となり、他にはないユニークな取り組みが注目されているアプス。心の教育を最優先する学習の場で育っている子供たちがどのような将来を描いていくのか楽しみです。

Pick up Success in IBARAKI

“学習だけでなく人生経験を語れることが大事”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
茨城は土地の値段が安いので起業のチャンスはあると思う。賃料は割高なので、10年以上続けるつもりならば不動産を取得した方が良い場合がある。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
起業に必要なのは決断力と実行力。お金が貯まってから、資格を取ってからと言っている人は一生無理。やりたいと思ったそのときが“旬”。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
「私立小中学校進学フェア」を、今年から有志で主催してスタート。各校の紹介の他、今後は講演や無料の学習・進路相談会も企画中。

これから起業する方への一言

“最低10年以上続けないと社会の信用は得られない”

一度これと決めて始めたことは、途中でやめてはいけない。最低10年以上続けないと社会の信用は得られない。特に、塾のような仕事の場合、やめてしまうと たくさんの人に迷惑をかけることになる。教育産業への新規参入は真剣さと覚悟が必要。子育て・教育は未来をつくる仕事だから。

■向上心・野心・情熱を持つこと
■心が貧しいと教育はできない
■夢とロマンを熱く語れる大人であれ



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