President file
10
リバティハウス株式会社
代表取締役 今瀬 保男さん 取締役 今瀬 修さん
ピンチがチャンスに変わった時、
成功への道が開けます!
個人事業主の確定申告サポート、記帳代行サービスをメインに経営や起業の相談にも応じている。社長自らの倒産―再起の経験を基にした人生コーチングサービス「人生リベンジ倶楽部」、東日本大震災の被災者向けサポート「経営再生ホットライン」も展開中。
- Owners Company
- リバティハウス株式会社
- TEL.029-244-7533
- http://www.kichoo.com/
- 水戸市笠原町1229-1
負債総額30億円!
大型倒産からのリベンジ人生―失敗から学ぶ成功の糧とは
30歳で父親の会社が県内史上最高額(負債総額30億・当時)の大型倒産をするという人生最大の窮地に陥った今瀬保男さん。
その後、再建会社の社長に指名され、債権先と親族や社員の板挟みになり、想像を絶する大変な苦労を味わったといいます。
その再建会社を10年で清算し、89年に保険外交員のための記帳代行サービス業を立ち上げます。
多忙で経理が煩雑になりがちだった外交員の確定申告や記帳業務に注目、領収証を預かって一括整理するシンプルな手法ながら、税法の改定の追い風もあり、20年で延べ3千人以上の外交員や個人事業主をサポートするまでになりました。
他県にも営業し、駐車場で車中泊をしながら保険会社の外交員から領収証を集めて回った日々もあったそうです。
90年代は完全にアナログの時代で保男さんの粘り強い営業力で着実に売上を伸ばしてきました。
しかし一見、順風満帆に見えた会社経営でしたが、保険業界の縮小に伴って顧客が年々減っていき、瞬く間に赤字に転落、借りていた事務所の家賃も払えない状態に陥ってしまいます。
人生二度目の危機、そして保男さんに再び巡ってきた転機は次男・修さんが窮地に陥っている父をサポートしようと経営に参画した時に訪れます。
修さんが縁あって知り合ったIT会社の社長に会社をホームページでPRすることを提案されたのです。
丁度、ホームページやメールマガジンを使った販売促進活動が活発になり始めた頃でしたが、中小企業でホームページを持つ会社はまだ少なく、保男さんにとってインターネットは全く未知の世界でした。
しかしどん底に陥っていた会社を立て直すためにも藁にもすがる思いでホームページを作ることを決断、先出のIT会社の社長の協力を得て制作に着手します。
制作費を払えるかどうかの瀬戸際、まさに背水の陣で臨んだ大勝負だったそうです。
ホームページには会社案内だけでなく、経理や節税の情報、経営相談など個人事業主に役立つ情報を多数掲載しました。
そして2004年、リバティハウスのホームページ「記帳ドットコム」が本格的にスタートすると、分かりやすいネーミングと毎月領収証をまとめて送るだけで 記帳を代行してくれるという手軽さが受けて、個人事業主やフリーランサーのハートをがっちりつかむことに成功したのです。
「ホームページからの初めての問い合わせはなんと遠く離れた石垣島の方でした。
その後も全国から仕事の依頼を沢山いただくようになって・・・最初は半信半疑でしたが『これからの時代はインターネットだ!』という手ごたえを強く感じました。
どん底の状態でしたが、息子や協力者のアドバイスを素直に受け入れたことも結果的には良い結果につながったと思います」と保男さん。
ホームページで自社の事業をPRしながら、地道にマスコミにプレスリリースを投げ込む広報作戦も功を奏し「記帳ドットコム」は地元紙や専門誌の取材を通じて全国に広く認知されていきます。
2006年には初の著書「ネットで稼ぐ人のための日本一わかりやすい確定申告!」を出版するまでになり、顧客数は全国に約900名、デザイナーや作家、美 容師、翻訳業、コンサルタントなどその職種は多岐にわたります。また従来の記帳サービス業だけにとどまらず、顧客の独立開業や経営相談に応じたり、事業主 同士のマッチングやフリーランサーのためのセミナーや勉強会なども積極的に開催するまでになりました。
また、大型倒産の苦い経験から、同じような悩みを持つ個人事業主の役に立ちたいと「失敗社長による人生相談コーチングサービス・人生リベンジ倶楽部」を08年にスタート。
コーチングを通して経営や人間関係に悩む個人事業主を保男さん自らサポートする事業も始めました。「私は人生街道をがむしゃらに走り続けてきましたが、過去の父の会社の大型倒産という『失敗』は何となく自分の中に蓋をして見ないようにしてきた気がします。
でも『人生リベンジ倶楽部』の開設をきっかけに自らの『失敗』を振り返り、思いきってホームページで自分を主人公にした実話マンガを公にすることで、これまでの人生の総括が出来たのです。
もう隠すものが何も無くなり、大変すっきりしました。気持ちも軽くなり、自分にも家族にも他人にも優しくなれました」と穏やかなまなざしで語る保男さん。
「父はタレント役に徹して自分の失敗体験までも人の役に立つならとオープンにしてしまう。
その勇気と行動力は息子ながら敬服しますし、ますます父や会社のプロデュースに力が入ります」と、広報や企画を担当する修さんも社長である父に信頼を寄せています。
「相手が喜んでくれることが私の一番のエネルギー。悩んでいる人はみんな答えをちゃんと持っている。その答えを一緒に見つけ出し、未来へ向かってそっと背中を押してあげるのが私の役目」と保男さんは日々全国から寄せられる悩み相談の解決のために孤軍奮闘しています。
また3月に発生した東日本大震災の際も無料相談サポート「経営再生ホットライン」をすぐさま立ち上げ、サポートを申し出てくれた弁護士や税理士の仲間とともに被災した個人事業主からの電話やメールの相談に無料で応じるボランティア活動も行っています。
常に走り続け、自らの失敗体験までもリベンジ人生へとポジティブに塗り替えてしまう力強さと倒産という辛酸を味わったからこその優しさ。頼ってくださるお客様を講演や相談を通して励まし続けたいと語ってくれました。
これから起業する方への一言
“足を止めずに一生懸命やり続けることが大切”
社員にはウサギとカメの話をします。カメが勝つのですがゴールに入っても立ち止まらないこと。次の目標を立て足を止めずに一生懸命やり続けることが大切。続ける努力、精神力、タフさがあれば失敗も乗り越えられる。パイオニアが勝つ例は幾多もある。
これからはますます混沌とした時代になる。時代に合った形で、かつ夢と希望を持って自分が真剣に取り組めるビジネスモデルを見つけることが成功により近づくと思います。
■ピンチはチャンスと考えよ!たとえ失敗しても心の持ちようと頑張りで人生は何度でもリベンジ出来る!
■最初はマネでもOK。まずは地域でNo1を目指せ!情報発信をマメにしながら、そこから広げていくことがベスト。