President file
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株式会社ノーブルホーム
代表取締役社長  福井 英治さん

高校教員から潔く転身。
異色の経歴で社業を発展

1963年生まれ。鉾田一高、日本体育大学を卒業後、教育として県立波崎柳川高校へ。初代野球部監督として采配をふるい、高校野球の上位常連校へと育て上げる。その後不動産会社を設立。さらに、建築会社であるノーブルホームを創立する。野球を心から愛するスポーツマンだが「野球部を社内に作ることはない」と明言。もっぱら冠大会の運営に尽力する。

Owners Company
株式会社ノーブルホーム
TEL.029-305-5555
http://www.noblehome.co.jp
水戸市笠原町1196-15

スタッフ、顧客、さらにその先へ。関わった人びとが
幸せをつかむための「舞台」を提供する。

水戸市に本社を置き、既成の住宅設計にとらわれない、施主主導の注文住宅やデザイン性に優れたコンセプト住宅などで、県内有数のハウスメーカーに成長してきた「ノーブルホーム」。

水戸、ひたちなか、つくば、日立、神栖と県内に5つの展示場を展開し、今ではいたる所でノーブルホームの建築現場を見かけることができます。

そのハウスメーカーを立ち上げ、県内有数の成長企業へと育て上げたのがこの福井英治社長です。

驚くのは福井社長の経歴。

福井社長は少年期から野球に没頭し、大学までプレーしました。

その後、教員となり、赴任先の県立波崎柳川高校の初代監督に就任し活躍。

しかし、実家の都合で教職を辞すことになり、家業の産業廃棄物の中間処理業に就きました。

「しかし、処理業はいわばBtoBの仕事。

将来性を感じず、不動産業に未来を感じ、働きながら1年で宅建の資格を取りました。

そして、このノーブルホームの基盤となる不動産業ステージプランニングを設立したんです。」と福井社長。

不動産業で順調に進むなか、土地探しを提供するだけではなくそこに住む人の家づくり、アフターケアまで、施主のライフスタイルに合わせトータルでプランニングしていきたいと考えるようになりました。

そして福井社長の考えを現実にするべくノーブルホームがスタートするのです。

ノーブルホームの設立は1994年。

はじめは資本金1,000万円での船出でした。その5年後には水戸展示場をオープンさせ、今では県内に5つの展示場を持ち、県内全域をカバーできる大きな企業として急成長しました。

その成長の秘訣は"人間力"や"人材力"、つまりは企業の持つ『マンパワー』であると福井社長は語ってくれました。

「毎朝朝礼に、ラテン語で「志」「信条」「約束」を表す『CREDO』《企業理念》を全員で唱和します。

その後、社員同士が"グッドニュース"を披露し合うんです。

そうすることで、社員同士の強い結束を生み、意識の向上にも大いに繋がっています。」と語り、さらに福井社長は野球部監督時代を振り返り、「野球の指導においても、一つひとつのプレーに対して、その行為の意味をしっかりと説明するんです。

そして、その意味をチーム全員が認識することでチーム力が向上します。

また、身近に接することで選手のコンディションも把握出来ますしね。」と語ります。

野球も社員教育も同じで、全員が共通認識を持つことが重要だと強調。

さらに、互いに競い合い成長していく事で、個人の資質が向上し、それがまた会社の力となっていく。

元野球監督という福井社長ならではの経験が社員教育にも繋がっているのです。

また、ノーブルホームは企業の成長に合わせるように、社会貢献活動にも力を注いでいきました。

今年で7回目を迎える「茨城県学童軟式野球大会」は「ノーブルホームカップ」として、今や県内約130チームが参加する、子どもたちあこがれの大会となりました。

また、エコをテーマに親子体験イベントを開催する「ノーブルキッズ」を主催。同社が購入した森林「ノーブルフォレスト」での植樹体験や田植え、ふるさとを身近に感じてもらう「ローカル線の旅」などの活動を実施し、青少年育成に多大な貢献を行っています。

「これらの活動は社員が総出で準備・運営します。

ノーブルホームカップの裏方の仕事などは、運営経験のない社員にとっては非常に大変なことですが、それも社員教育の一環と捕らえています。」と福井社長。

イベント会社などに仕事を任せるのではなく、自分たちで大会やイベントを作り上げる事は、通常の業務とはまた違った、社員としての成長を促すきっかけにもなっているそうです。

これらの活動が高い評価を受け、2009年にはノーブルキッズとノーブルホームカップが「キッズデザイン賞」のコミュニケーションデザイン部門で、2作品同時受賞に輝きました。

同賞は特定非営利法人キッズデザイン協議会が主催し、経済産業省が後援。

豊かな未来をつくるこれらのキッズ・プロジェクトが、国内的にも広く認められたことになり、同社の社会貢献活動が間違っていなかったことを証明したのです。

順風満帆に社業を発展させてきたノーブルホームですが、今年の3月11日の東日本大震災では、神栖地区での同社の住宅も甚大な被害が及びました。

神栖市全体で広がった液状化という震災被害で、同社が施工した約20数戸の住宅に被害が発生。

そこで同社は、アフターケアに万全な体制を整え、住宅の復旧、メンテナンスに業務を傾注。

その結果「4、5、6月は新規の営業活動などは行える状態ではなく、新築に関しては大手の住宅メーカーの独擅場となっていました。

ですが、会社として大切な新規獲得を置いてでも、ノーブルホームで決めて建てて頂いたオーナー様へのケアを最優先したことは間違ってなかったと確信しています。」と福井社長は笑顔で語ってくれました。

震災被害に誠実に対応し、顧客との信頼関係を保持。

また、そのような打撃を受けた中で、前述した「ノーブルホームカップ」をはじめ、社会貢献事業の歩みを止めず、青少年の育成にも全力を注いできた事が、周囲の人々から高い評価を得たのではないでしょうか。

最後に福井社長は「私が会社を興した時には新築の需要は年間180万戸と言われていましたが、今は80万戸の見込みで、今後も縮小傾向にあるでしょう。

そのような住宅事情の流れの中でも、わが社の掲げる創造し革新し続ける"イノベーション・カンパニー"という企業理念が揺るぎないものであれば、わが社の需要は今後も伸ばしていけると確信しています。」と今後への強い意欲と自信を示してくれました。

会社と社員のトップリーダーとしての使命感あふれる福井社長の人望が企業を支えているのです。

Pick up Success in IBARAKI

“企業は社会貢献事業を果たさなければならない”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
住宅業界で言えば、県南を中心に需要は伸びています。どうしても首都圏に近い県南がこれからも新築需要は増すでしょう。県外の業者さんも進出しており、競争は厳しくなると考えられます。
質問2起業する際にやるべきこと。また、必要な準備は?
会社を興す前に1年間、宅地建物取引主任者の資格を取るための勉強をしました。しっかりとした下準備が出来たことで、不動産から住宅メーカーへと発展させることが出来たのではないでしょうか。
質問3この土地で必要なプロモーション活動は?
社会貢献活動としての「ノーブルホームカップ」などを主催して、知名度は上がったと思います。その活動が社会的にも認められて、企業イメージアップにもつながっていくと考えています。

これから起業する方への一言

“今出来ることを一生懸命やることが大切”

今出来ることを一生懸命やることが大切。また、人間力を育てることも。人間性を大切にし、優秀なスタッフを育てることで、ナンバー1を目指す企業になれると考えています。

■社員教育が企業発展の大きなポイント
■社会貢献活動を通して、企業のイメージアップを図る
■顧客第1主義の揺るぎない信念を社員に徹底させ、課題解決に取り組む



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