President file
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株式会社 ヒーリング・メッセンジャー
代表取締役  濱田 聡一郎さん

人々へ心と体の癒しを届ける
ホスピタリティーの起業家

15年前に起業し首都圏を中心にリラクゼーションの店舗を展開。自社でも独立する社員を積極的に応援。水戸は御三家でもあり名古屋と似ている都市という。趣味はテニスとゴルフ。「今はPCやスマートフォンで経営管理できるので便利」と、忙しく飛び回る日々。

Owners Company
株式会社
ヒーリング・メッセンジャー
TEL.029-291-6432
http://www.healing-messenger.co.jp
水戸市泉町1丁目6-1 京成百貨店8F

起業の際の蹉跌を乗り越えてメジャー企業へ
1枚のジャージ購入から始まったサクセスストーリー

思いもよらないきっかけが事業を拡大していった、という濱田社長。そのサクセスストーリーは、祖母の残した「人生には3回チャンスが巡って来る。そのチャ ンスを見逃してしまう人もいるけど、しっかりつかむことが大切」という言葉を信じ道を切り開いてきた賜物と言えるものでした。

 濱田社 長 はICU(国際基督教大学)を卒業し京成電鉄へ就職します。しかし、大学の専攻がコミュニケーションであったため、将来はカウンセリングなどの仕事をした いと考えていたそうです。こうしてせっかく就職した京成電鉄をわずか2年半で退職、都内の針灸の専門学校へ再入学します。「体のメンテナンスを通して人と のコミュニケーションを図りたい」と夢実現の一歩を踏み出しました。

 そして専門学校3年生時、自分の店を持つ決意を固めます。その際、知り合いの歯科医師から資金提供の約束をとりつけていました。その言葉を信じ濱田社長は気軽に都内での出店を計画していました。

  ところが予想外のことが起こります。出店間際になってその歯科医師より"資金繰りから提供できない"と伝えられたのです。追いつめられた濱田社長でしたが 「店の敷金や礼金、家賃など資金が1000万円ほど必要だったのですが、なんとか自己資金で実施するために当初の計画を見直し、500万円を祖母と母から 借りました。こうしてやっと、手作りの店をオープンさせることが出来たんです」と濱田社長は独立を果たすのです。

 ある日、濱田社長は ひょんなことから事業を成功させる出来事を経験します。それは、駅前の西友の下で行っていたワゴンセールで1枚のジャージを購入し領収書をもらおうと名刺 を差し出した時のことでした。「え~こんな仕事しているんですか?実はうちのスポーツクラブではマッサージの業者を代えようと思っていたので、やってみま せんか?」と提案されたのです。これは願ってもないチャンスでした。

 このスポーツクラブこそ、全国展開するNASでした。濱田社長の お 店は、先方の想定売上をはるかに超える売上を達成します。そこから厚い信頼を寄せられ、次々と仕事の依頼を受けていくのです。この成功はただの偶然ではな く、濱田社長の誠実でホスピタリティーあふれる姿勢が引き寄せたものでした。

こうしてNASでの店舗展開を皮切りに、様々な事業を展開 し ていきます。リラクゼーション事業本部として実店舗を持つ「GARDEN事業部」、「商業施設事業部」、「スポーツクラブ事業部」では、15年の間に30 店舗以上を出店してきています。(うち、19店舗は独立希望者に譲渡)スクール事業部として東京にてスクールを運営の他、ハワイの姉妹校との連携による 「ALOHA GARDEN事業部」、さらにこの業界で起業する企業を応援する「コンサルティング事業部」(50店舗以上の開業や技術教育、経営改善等を 請け負っています。)を展開するリラクゼーションの総合企業として目覚ましい成長を遂げることになります。

 「その一環として3年前に 京 成百貨店(3ヶ所)に店舗をオープンさせて頂きました。「水戸京成百貨店に出店したのは、たまたまうちの店に来て頂いていた、京成電鉄時代の先輩の更に大 先輩からのお声掛けでした。その方こそ今の水戸京成百貨店の社長さんなのです」と、濱田社長が多くの方々とのつながりを大切にしていことが事業拡大にもつ ながっていったのです。

 「この仕事はものを売るのではなく、人を売る仕事です。今は小学生から高齢者までご来店いただいています。こ の 業界は過当競争の時代ですが、店に来ていただき、店の外に出たときにどれだけ印象に残せるか。お客様の体や生活の中にどれだけ入っていくことができるかを 常に考えて、お客様に接していくことを心掛けています」と仕事柄、大切にしてきたことを教えてくれます。また「すべての店のメニューや料金体系は変えてい ます。その地域性にあったサービスを提供しているのが私たちの特徴です」と、その場所にあったサービスの模索を欠かさない努力を続けているそうです。

  全国の直営店経営の他、現在ではリラクゼーション店へのコンサルティングで成長を遂げている同社。「最近では飲食店など異業種の方から出店の相談が寄せら れています。今後は更に独立や起業、新たな事業展開としての開業のお手伝いを行っていきたいですね。そして、うれしいことに、今年水戸で最初の独立を果た してくれた社員がいるのです。」と今後の展望を話してくれました。

 冒頭の濱田社長の祖母の言葉通り、濱田社長は確実にチャンスを見逃 す ことなく成功に導いてきました。「僕自身、そのチャンスをもしかしたら、3回ともすべてつかんでしまっているかもしれませんが、まだつかんでいないかもし れません。ですので、これがチャンスかなと思った時には手を伸ばしていくようにしています」とこれからも挑戦していく熱い意気込みを教えてくれました。

Pick up Success in IBARAKI

“人生に来る3回のチャンスを逃さない”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
この業界ではチャンスがあると思う。水戸はアッパー層も多く、これからも自分の体に対する意識は高くなる。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
私は起業する際に挫折を味わったが、資金よりも事業を継続させていく経営計画が大切。長く続ける意思を強く持つことが会社の発展につながる。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
都内などではネット、茨城では紙媒体を使用。しかし、この業界は口コミが大きな力になる。お客様に実感してもらうことが宣伝につながる。

これから起業する方への一言

“水戸で起業する人は応援していきたい”

起業する際には大きな夢を抱いているはず。起業するまでは一生懸命頑張るのだけれど、その後が大切だ。いざ始まって、だめだったらすぐに止めることは誰でもできるが、継続し続けていくことが大変で、何十年後を見据えて経営計画を見直すことも大事だ。水戸で起業する人は応援していきたい。

■その地域に合ったサービスを展開
■人生3回のチャンスを逃すな
■起業よりも継続性を重視する



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