President file
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有限会社 ワンズホーム
代表取締役  吉田 浩一さん

高気密・高断熱住宅で
幅広い支持を得て着実に成長

水戸市出身。バイクツーリングが趣味で毎年2週間ほど休暇を取って一人でハーレーにテントを積んでツーリングを楽しむ。仕事柄「雨の日は現場に出られないので、雨音をつまみに一人で酒を飲むのが最上の楽しみ」と言う。「自分と同じ世界観を持った社員と仕事をしていることが楽しい」と話す。

Owners Company
有限会社 ワンズホーム
TEL.029-257-1188
http://www.ones-home.co.jp/
水戸市見川2-108-26アーバンテラス・一周館A棟311号室

父親の背中を見て育ち苦労を実感
同じ道を歩む運命の中で新たな道を拓く住宅を提案

 高気密、高断熱、高耐震性のオリジナル住宅を提供している「ONE'S HOME」は世界で一つだけのマイホームを提供して10年。ともすれば画一的なスタイルを提供しがちな大手ハウジングメーカーと一線を画して独自の路線を 歩み、ワンズスタイルの住宅を提案し続けています。

 吉田社長は父親が水戸市内で工務店を経営、その父の背中を見ながら育ちました。「父親を見て、工務店は大変だなあ~」と、その苦労を肌身に感じて成長したそうです。

 学校を卒業後、一度は大手信販会社に入社したものの、父親がけがのため入院。そのため、長男である吉田社長は水戸へと帰郷します。

 「もともと、工務店の息子ですから木やコンクリートの匂いの中で育ってきました。地元に戻り、大手を含めて5社ほどのハウスメーカーに勤め、現場監督と して働きました。その経験から、快適な住環境として『高気密・高断熱』の住宅に出会うことができました」と、吉田社長は独立を決意したそうです。

 独立以前の吉田社長は、父親のけがや病気の苦労を知っているだけに、父親の職業を継ぐことに、二の足を踏んでいたそうです。施主との交渉や施工途中での 設計変更やクレーム処理、不具合の改善など施主にとっての一生の"買い物"にまつわる課題は多く、単に家を建てるだけではなく次々とクリアしなければなら ない障壁が立ち現れます。そのような父親の仕事ぶりに、吉田社長の苦悩を想像するには難くないでしょう。

 しかし、水戸へ戻った吉田社長は父親の仕事へとおのずと導かれ、ハウスメーカーの社員としての道を歩んでいったのです。

 43歳で独立を果たした吉田社長は、わずか3人の社員で「オンリーワン」の家づくりを提唱し、社会の大海原へと漕ぎ出します。

 吉田社長は「最初は営業の担当もいたのですが、人づての紹介でスタートしました。私自身が現場監督の出身なので、営業の方は得意ではありませんでした。 もともと、一人でいることが好きなので社長としてのトップセールスのようなことが出来ず、ロータリークラブやライオンズクラブなどにも入らず、ここまで やってきたのです」と、謙虚にこれまでの経緯を話します。

 現場監督として様々な現場に立ち続けるなかで、吉田社長は「こうすればもっと良くなる。住みやすくなるのでは」と社長自身の感性を研ぎ澄ませていったよ うです。それが今日の同社のスタイルである「Cube-i」や「ふたりの家」、「遊和の家」などのヒットシリーズを生むことにつながったのです。

 同社の提案する住宅の大きな特徴は、ワンルーム形式にあります。「日本の家は40年とか50年と言われますが、ワンフロアーであれば子供の成長に応じ て、間仕切りなど対応出来ます。子どもの思春期はわずか4,5年で個室などはその時に対応すれば良いのです。今は家のスタイルも変わり収納スペースが多 く、家具などもいらない時代です。住み方のスタイルも時代に応じて流行が変わりますが、私たちもその波に応じて住宅を提案していきたい」と、吉田社長の柔 軟な姿勢がワンズホームの大きなポイントになっているようです。

 吉田社長は言います。「住宅は高い商品ですが、最後はオーナー様が住みたい、欲しいと判断するのです。私たちはそのお手伝いをするだけなのです」とがむしゃらに利益を追求する会社ではない姿勢がワンズ・ファンを獲得することになった大きな要因であるのが垣間見えます。

 さらに年に1度開催するオーナー様との「スマイル交流会」というイベントを創業以来10年間欠かさず開催しています。協力会社と共にオーナーファミリー とバーベキューやイベントを楽しみ、家を建てた後の交流も深め合っています。その参加費はチャリティーとして福祉団体へ寄付し、会社とオーナーが共に社会 貢献する場として家づくりから福祉へ役立つ環境を整えているのです。

 単なる家づくりの会社ではなく、現場監督上がりの吉田社長は、今も社長の椅子に座ることなく毎日のように現場へと足を運びます。

 「私はワンズホームという器の中でやってきた人間です。オーナー様と現場でお会いして実際に目で見て確認してもらい、オーナー様の希望を着実に実現することが私たちの果たす役割なのです」と、吉田社長はワンズホームの使命を語ります。

 ワンズホームのオーナーの家族である女性は「実家がお世話になっていますが、震災後には水を届けてくれたり、アフターサービスに感謝しています。家づく りの姿勢だけではなく、吉田社長はじめ社員の皆さんの人柄、社風にはものすごく感じるところがあります」と、ワンズホームファンの一面を語ってくれまし た。

Pick up Success in IBARAKI

“人材が必要。自分が出来る事は限られている”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
消費税アップ等は追い風のように思えるが、私の会社ではそのような恩恵はない。建築業界は茨城のみならず少子高齢化で新築の需要は減るだろう。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
毛利元就の例ではないが、私の場合3本の矢が必要だった。自分で出来ることは限られている。現場、営業、社務と3人で手分けした。優秀な人材が必要だと思う。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
私自身が現場監督上がりで、弊社としては最も不得意な部門でもある。しかし、誠実な対応により口コミで評判は広がると思う。

これから起業する方への一言

“ニーズを入念にリサーチ。ニーズに流されてもいけない”

起業する際には自分の世界観があるだろうが、自分ですべてをやろうとすると無理がある。私はやがて独立しようとする意志を持っていたが、どのようなニーズがあるのか入念にリサーチした。しかし、ニーズに流されてもいけない。良い家を作っていれば良いのではなく、経営者として良い職場環境にも配慮が必要だ。

■親は背中を見せて子どもの成長を促す
■オンリーワンのオリジナリティーを
■仲間の手助けが必要



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