President file
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家づくりナイスホームズ株式会社
CEO  菅原 和彦さん

家づくりのノウハウ本も執筆

北海道出身。日立市育ち。不動産業を皮切りにこれまで土地売買500件、400棟以上の住宅建築に関わる。「安くていい家づくり」に取り組み、住宅業界では 波紋を広げ、その輪は全国に広がる。笠間市在住で、趣味は仕事。著書に『建てるぞ!!いい家』(日本建築出版社)ある。

Owners Company
家づくりナイスホームズ
株式会社
TEL.029-305-3688
http://www.nice-homes.co.jp
水戸市笠原町245-1

ローコスト住宅に熱意を注ぐ
高すぎる日本の注文住宅に一石を投じて波紋は全国へ

 多くのハウスメーカーがさまざまな住宅を提案するなかで、末永く住まうことのできる優良住宅を提案し、しかもそのコスト削減に挑戦し続けているのが菅原CEOの会社「家づくりナイスホームズ」です。

 菅原CEOの同社での実質的な肩書きは会長職という立場ですが、お客様との折衝や相談、各種法的手続きなどの最前線での仕事も現役というから、バリバリの企業戦士でもあるのです。

  開口一番「住宅業界の社長というと、とにかく横柄(おうへい)で遊び好き、車もベンツなどを乗り回しお客様のことより自分のことしか考えない。そんな業界 のイメージがあります。それよりお客様のことを考えたら、自分が贅沢するより安く住宅を提供するのが優先されるべきです」と菅原CEOは熱く語ります。

 自身は北海道生まれですが、災害に遭い日立市へと家族共々転居。以来、青春時代を日立で過ごし、高校卒業後、都内で社会人としての人生をスタートしました。

 さまざまな仕事を経験して、「不動産に興味があった」と不動産・建築業界に身を投じる決心をしたそうです。

 「住宅業界は業者の言いなり、メーカーの言いなりで、お客様に選ぶ権利がないのです。これでは駄目だと痛感しました」と菅原CEOは一念発起、平成16年に現在の会社を立ち上げたのです。

 同社は「高すぎるぞ日本の注文住宅!そのコストを30%削減する!」と高らかにうたっています。それは菅原CEOのエンドユーザー最優先の考えと、住宅業界でまかり通る常識への挑戦状でもあるのです。

 菅原CEOは「弊社は4.5人の社員でやっています。大工さんは専属の腕のいい人ばかりで、すべて注文住宅(水戸周辺から県内全域)を扱っております。もちろんスタートはゼロからでした」と会社設立の過去を語ります。

  「私たちはサービス業なのです。でも、お客様の命を預かる仕事なのです。東日本大震災でも私どもの手掛けた住宅は一つも被害がありませんでした。阪神大震 災以降、規制が厳しくなったということもありますが、家は家族を守る大切な場所なんです。しかし、家を購入するのは大変な資金が必要です。希望に添えるよ うに少しでも安くする努力が業界に求められるのです」と菅原CEO。

 さらに「不動産では『不動産屋』と呼ばれ、住宅でも『建築屋』と呼ばれ、『なんとか屋』という扱いです。そのようなイメージが定着している業界です」と菅原CEOはハウスメーカー全体のイメージアップの取り組みも始めました。

 その熱い気持ちを込めた『建てるぞ!!いい家』という著書を2009年に上梓。建築専門の日本建築出版社から全国発売しました。

家を建てようと思った人が資金繰りから土地探し、施工業者選び、ローコスト住宅の選択など家づくりのノウハウを惜しみもなく紹介し、家づくり初心者のバイブルとして活用されているのです。

 NPO法人「日本優良住宅協会」の中村辰己理事長も「家づくりをはじめる時に最初に読む本」と勧めているほどです。

  「この業界では異端児で、会社としては地域の団体などにも属していませんが、仲間は全国に広がっています。ほかの業者さんはどうでもいいのです。お客様の 笑顔を見られるのが最高の幸せなので...」と謙虚に話す菅原CEO。「家はお父さんが生命保険に入ったりして、本当に大変な思いをして手に入れるのです。家 族を守るための器なのです。なんとか風なんて流行にとらわれることなく、生涯住み続けることのできる家を提案していきたい」と菅原CEOは言います。

 創業以来、着実な成長を遂げる同社は、年間30棟ほどを手掛けるハウスメーカーへと成長を続けています。

  菅原CEOは「家は子どもの成長や入学などを転機に建てる方が多いのです。子どもたちが帰ってきたときにお母さんが待っていてくれるのが『家』というもの の最高の瞬間。でも、子どもと一緒に住めるのは人生の中でほんのわずかな時間しかありません。ですから、一生住み続ける覚悟をもって家を建ててほしい」と 話します。そこには3人のお子さんを持つ菅原CEOの想いが重なっているようです。

 菅原CEOの著書では最後に「いくら豪華な素晴ら し い家を建てたとしても、そのために無理が生じるのであれば、家なんてただの箱になってしまいます」と綴られています。お客様の幸せを第一義に考えている菅 原CEOの想いがこもったひと言です。「過去を振り返ることなんて出来ません。将来を語って行きたい」と自らの人生とともに手掛けた家の将来について思い を馳せています。

 「ローコストで最良の住宅」、これを実現させている同社の歩みはとどまることを知りません。ハウスメーカーとしてあるべき姿を具現している菅原CEOの今後の活躍に目が離せません。

家づくりのノウハウ本も執筆

Pick up Success in IBARAKI

“世の中の逆をやっていれば成功する”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
震災や消費税増税なども影響もあるが、住宅は堅調に推移している。茨城は可住面積も広く、将来性はあるが、少子高齢化の社会ではどうだろう。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
私は文字通りゼロからのスタートだった。友人に融資してもらって起業した。私はお金に関しては素人で、経理に詳しい社員を入れた。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
施主様の現地見学会などのチラシを作るほかフリーペーパーなどを活用している。口コミなどお客様の紹介も有効だ。

これから起業する方への一言

“当たり前のことをコツコツとやること”

当たり前のことをコツコツとやることが大事だ。まじめに真剣に一生懸命する人は必ず成功すると思う。「○○したい」という情熱を持って、使命(ミッション)、行動(アクション)をもって行けば良いだけだ。どのようなことでも命を賭けることが成功をもたらす秘訣となるだろう。ぜひ若い人たちにチャレンジ精 神をもって、頑張ってほしい。

■業界の常識に逆らう勇気を
■あくまでエンドユーザーの立場に立って
■家は家族を守るために存在する



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