President file
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日本スタンダード 株式会社
代表取締役  豊田 清さん

株式会社として心機一転!

水戸市出身の39歳。午前7時過ぎには出社。昼間は顧客まわりでほとんど留守という。たったひとりの独立から16年で社員5人を抱える企業へと成長させ た。趣味のゴルフは「ビジネスとプライベートでそれぞれ楽しめる良いスポーツ」という。父親も保険代理店「豊田興産」を経営する。

Owners Company
日本スタンダード 株式会社
TEL.029-248-7275
http://www.nihon-standard.jp/
水戸市元台町1459-1

保険代理店の地域ナンバーワンを目指して
社名も変更して新たなステップに挑む

柔和で誠実、まさにそんな印象表現が良く似合う豊田社長。そのビジネスストーリーは大手メーカー日立製作所から始まります。主に自動車関連の知的財産の管理部門に勤務し、活躍を続けていたのですが、ある時心機一転、「保険」の道へと大胆に進路を変更します。それもそのはずです。実は社長の家系は3代にもわたって続く保険代理業。一時は別の道に進んだとはいえ、豊田青年のDNAは「保険」という仕事を渇望していたのです。 

 しかし、人生に深く関わる保険業は、血筋だけで成り立つほど甘くはありません。それはそれは厳しい修行期間が始まります。「まず、千代田火災さんに研修生として勤めました。そこではかなり高いハードルを越えねばならず、本当に一生懸命働きました。1年に300人ぐらい研修生として入ってきますが、最後は24人でした。」と社長は当時を振り返ります。もちろん、保険代理店を経営していた父親の援助など一切ありません。すべてを自力で、数々の難関をクリアしていきます。 

 そして見事3年間みっちりと保険のノウハウを習得した豊田社長ですが、ここで驚きの決断をします。保険代理店である家業は継がず完全独立という道を選択したのです。とはいえ大きな資本などある訳もありません。事務所は自宅の8畳間とし、身一つカバン一つという小さな船で、社長は保険業界と言う大海原へ漕ぎだします。「最初は正直不安でした。知り合いの紹介などもありましたが、法人関係などは飛び込みでの営業も行いました。でもなかなか上手くいかなくて...」と、組織に対しての営業を個人で行う事の厳しさを味わいます。さらに「若い、というだけで心配されてしまうのも辛いところでした。でも、その心配も理解できるのです。それほど保険というものは人生にとって大切なものですから。とにかく一歩一歩、いい加減な事はせず、きっちりと仕事をし信頼を得る。これしか若さのハンデを乗り越える道はありませんでした」と、豊田社長は当時の苦悩を語ります。しかしこういった誠実な姿勢は徐々に実を結び、業績は着実に伸びていきます。「独立当時、保険業法が改正されて、多くの保険会社の商品を扱えるようになったのもタイミングが良かったのかもしれません」と謙遜しますが、顧客の幅は若年層はもちろんの事、中高年からシルバー層までどんどん広がっていったのです。 

 努力を重ねた結果、自分一人であれば何とか食べていけるようになった豊田社長。さらにここで転機が訪れます。「個人業でもいいと思っていた私の気持ちが変わったのは、保険のお話で会社経営者の方と接する機会が増えるようになってからです。経営者の皆さんは、会社を維持するにあたり相当な覚悟で会社経営に臨んでいらっしゃいました。自分を振り返りこれではいけないなと...。特にライフ総合研究所の本名稔社長との出会いは大きな刺激となりましたね」。こうして事業としてきちんと会社を経営していく姿勢に転換した豊田社長は、数年後にはパートの従業員を雇い入れ、その後正社員を雇用。現在は5人の社員を抱えるまでに社業を発展させます。 

 豊田社長の施策はこれに留まりません。「私達は次世代の保険業に取り組んでいます。ただ単に保険を提案していればいいという時代は終わっています。今後は保険商品だけでなく、その周辺知識も必要とされる時代。私はフィナンシャルプランナーの資格もとっていますが、あえて名刺には入れていません。それは、保険の話をさせていただく者は当たり前の事として、マネープランのプロでもなければいけないと思うからです。保険はお金の話でもありますからね」。この他、人生設計アドバイスや損害保険の事故対応を専門とする弁護士の用意等、トヨダ アイ・エスはお客様を総合的にバックアップする会社を目指し突き進みます。それでも保険業は保険業。社長は「代理店はちょっと大きくなると、自動車修理工場などに乗り出すところもあります。でも私はほかのことには手を出しません。お客様を見て仕事をしたい。本業から離れることなく、お客様を守り、地域一番店を目指します」と明確なビジョンを示します。

 そしてついに同社はこの11月、個人事業の彩りのあった現在の社名を「日本スタンダード」と変更し、有限会社から株式会社へ改組。総合代理店へと次のステップを踏み出します。これは現在の日本経済の状況を鑑みるとまさに順調な滑り出しと言えるのではないでしょうか。ちなみに新社名は、日本の保険代理店の標準(スタンダード)になるぞ、という社長の信念のもとに名付けられたそうです。

 こうして躍進を続ける豊田社長ですが、仕事の傍ら「ライオンズクラブ」の活動にも参加しています。「知り合いの方に進められて入会しましたが、最年少で小間使いなんです」と笑いますが、社会貢献活動やイベントなどに積極的に活動しているご様子。又、社長のお父様も今も現役で保険代理店をされているとの事。男同士、同じ仕事で切磋琢磨できるとは何とも素晴らしい限りです。お父様の喜んでいる様子が目に浮かびます。そして、父の背中を超えるのも、もはや時間の問題なのかもしれません。

Pick up Success in IBARAKI

“しっかりとした信念を持ち続ける”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
個人の保険代理店業は厳しい時代に入っている。これまでの代理店も後継者問題などにぶつかっている。独立するのは難しいかもしれない。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
私は3年間研修生として保険の勉強をした。保険代理店には手軽になれると思われがちだが、周辺知識とネットワークを確立しておくことが大切。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
うちでは広告などを出したことがない。タウン誌などに出すことも有効なのだろうが、お客様に誠実に対応していくことで、業務を拡大してきた。

これから起業する方への一言

“読書で創造性を高めよう”

仕事に対するしっかりとした信念を持つことが大切だと思う。悩んでしまうこともあるかもしれないが、信念を持っていれば、立ち直れる。それまでビジネス書を読んでいたが、小説を読むことで想像力が養えると先輩にアドバイスされたことがある。好きな時間に好きな分だけ読める読書で創造性を高めよう。

■強い信念で地域ナンバーワンを目指す
■起業した経営者の覚悟は強い
■お客様を守るという使命を果たす



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