President file
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株式会社 グッドニュース茨城
代表取締役   木下 智和さん

日本最大級の合コン
「MITOコン」主催者の顔も

福井県出身。日本大学文理学部卒。社内結婚を経て小学生、幼稚園児の2児のパパ。趣味は「仕事」と言い、とことん仕事を楽しむ。「茨城で知人知り合いもな くて、まったく人脈がない」状態で起業。誠実に仕事をこなすことで、次の顧客を生み出す。業態展開は「子どもが生まれ、一緒に過ごす時間がほしかった」と いうイクメンの一面もみせる。
 

Owners Company
株式会社 グッドニュース茨城
TEL.029-246-3767
水戸市元吉田町932グレースガーデン1F

飲食店チェーン経営からポスティング会社へ業態を展開
仕事の基本は「無理せずやりたいことをやり、楽しむ」ことが大切

越前屋茂兵衛という社名が示す通り、木下社長は越前・福井県福井市の出身。東京の大学に進学後、大手飲食チェーンを展開するファーストフードの会社に就職しました。

 「元々、いつかは独立しようと思っていて、たまたま茨城に店が空いているよ、と言われ36歳でその店のオーナーとして独立したのです」と木下社長。

 それまでは茨城はもちろん水戸には来たこともなかった木下社長ですが、南町の店舗を皮切りに水戸市内で4店舗を展開するまで、飲食店オーナーとして事業を発展させていきます。

  「最初は、自ら調理して、お客さまと接し、楽しかったのですが、店舗の拡大や社員の増加で、その楽しみよりもオーナーとしての仕事が増えていきました。自 分で作って接客する楽しさがなくなってしまったのです」と、4年前に「越前屋茂兵衛」を設立。ポスティングと結婚相談所の二つの事業を柱に、飲食からまっ たく違う会社へと業態を変化させていきます。

 飲食店の事業も順調に業績を伸ばしつつも、仕事の楽しさを味わえないという自己葛藤が木下社長の心の中に芽生え、業態を変えたのは「仕事をやるからには楽しくやりたい」という仕事に向き合う自らの信念でした。

 結婚相談所を始めた理由は、「飲食業のとき、社員の半分はシングルマザーだったのです。水戸ってそんな土地柄なのかなあ?と思って始めました」と、語ります。

  もう一方のポスティングは「飲食をやっているときにポスティングの効果を知りました。タイミングやエリアなどをリサーチすることで、売り上げが3倍になっ たこともありました。成果としてその飲食チェーン店で全国で3位の売り上げになったことも。当初はほかに頼んでいたのですが、自分のところでやってみたら 効果が出てきたのです。これは使えるな、と感じました」とポスティング事業のきっかけを語ります。

 ポスティングは水戸・ひたちなか市 を 中心に約80人ほどが毎日のようにさまざまな印刷物や雑誌、広告チラシなどを各戸へと配布していきます。新聞の購読者が減り、新聞折り込みからポスティン グへとクライアントの意向が変化する中、その仕事の重要性はますます高まる傾向がみられます。

 「越前屋茂兵衛」という会社には「グッドスタッフ水戸」という屋号もあり、一般的にはこちらの名前が通用しています。ポスティングに加えて、人材派遣の業務も展開し、「グッドスタッフ水戸」の知名度は徐々に上がっていきました。

 さらに、木下社長を一躍、有名人へと引き上げる出来事が起きました。それは結婚相談所から派生した「MITOコン」という大きなイベントの実行委員会の代表となったことでした。

  「MITOコン」は昨年12月10日に第1回目を開催。男女600人、合わせて1200人の大合コンを開催したイベントです。木下社長は「友人から宇都宮 でこんなイベントをやっているよと言われ、水戸でもやってみようと開いたのですが、今年2月には2300人が参加してくれて、5月19日には3600人が 参加する日本最大級の合コンイベントへと発展してきました」と主催者としての顔が時代の寵児へと押し上げたのです。

 「5月には水戸市 内 の飲食店60店舗が協力してくれました。MITOコンの夜は水戸の街は本当に多くの男女が行きかってにぎやかです。深夜まであるいは朝まで飲食店を食べ歩 いていて、水戸の街の活性化にもつながっているのではないでしょうか」と木下社長は合コンの効果にも期待しています。

 「独身者を助けたいという思いがあります。合コンを開いてもカップリングが上手くできない人も多くいます。MITOコンに参加してもダメだったということに気付くことも大切なのです」と合コンで学んでほしいという願いも入り混じります。

  「今は女性の方から声を掛けるケースが多く、男性から積極的に声を掛けないのがほとんどです。男性の方はダメだったということを知ってもらうことで、積極 性に目覚めてほしいのです。自分から能動的にならないといけないと感じてほしい」と木下社長は合コンを通じて、自分を成長させるきっかけをつかんでもらい たいとの思いを込めています。

 人生において生涯のパートナーを見つけることは最大のイベントでもあり、積極性・能動性を身につけることは仕事や生活面でも欠かすことのできない重要な要素でもあります。「MITOコン」はそんな自分に目覚めるちょっとしたエッセンスなのかもしれません。

 木下社長は「自分は本当にいい加減な人間なのです」と謙遜しますが、それは仕事においても生活においても塩梅が「良い加減」ということのようです。

  「私は飲食店オーナーとして若かったのかも知れませんが多くの反省もしました。店の規模を大きくしたいと望んでしまい、規模の拡大や社員の増員などを思 い、無理をしてしまい、仕事が面白くなくなってしまいました。仕事は楽しくやりたいと、飲食店の権利は譲ってしまい、今の仕事に集中していますが、やりた いことができて今は満足しています」と、屈託なく話します。

 茨城に来て10年を過ごした木下社長ですが「茨城は本当に良いところです。私は長男で福井の実家には母親がいますが、このまま水戸に骨を埋める覚悟でいます」と、異郷の地での社業発展と若者の婚活支援に尽力する日々を過ごしています。

Pick up Success in IBARAKI

“楽しく仕事をしたい。やりたい仕事をすることが成功へつながる”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
東京ではみんなツンツンしているが、水戸では声を掛けると普通に入って行ける人が多い。人付き合いが良い半面、会社同士になると難しい面もある。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
私は何の準備もなく独立した。会社を起こそうと思って準備しているなら、いち早く独立したほうが良い。起業しても失敗は必ずあるのだから。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
人脈の幅広さで仕事をしてく方法もあると思うが、自分はあるがままの姿を見てもらい、確実に仕事をこなすことが大切かと思う。

これから起業する方への一言

“無理することなく「良い加減」で仕事を楽しむ”

会社の規模拡大などを目指すと仕事がつまらなくなってしまう。無理することなく「良い加減」で仕事を楽しみ、やりたい仕事をするのが大切だ。将来、会社の業態が変わることもいとわない。

■独立は早ければ早いほど良い
■自分を必要以上に大きく見せる必要はない
■仕事は楽しんでやる、無理しすぎない



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