President file
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株式会社 ライフ総合研究所
代表取締役  本名 稔さん

複数の保険の利点を提供。
顧客視点で来店保険ショップも

ひたちなか市出身。商業高校卒業後、就職。その後家業などを経て保険業界へ。誠実な人柄と対応で顧客を確保。保険に関わるパートナーとの信頼関係を築き上げ 営業拠点を拡大。独身貴族を享受していたが3年前に結婚。現在は奥様と美味しい料理を食べ歩く旅行などを楽しむ。「知らない社長さんとの出会いが楽しみ」 と、経営者としてよりプレイヤーとしての仕事を続ける。

Owners Company
株式会社 ライフ総合研究所
TEL.029-232-3300
http://www.lifesouken.co.jp
水戸市泉町3-1-28第2中央ビル5階

企業経営者の求める営業マン像を求めて実践
海外にも営業拠点を設置するグローバル展開を目指す

保険業界に入るきっかけは単純に「カッコいい、サラリーマンの姿」だったと、はたから見るといたって不純な動機でした。高校卒業後、大手文具販売メーカー に就職したものの、その後、実家の家業を手伝う日々。やがて友人が勤務していた旧セゾン生命保険に入社。人々の生命、財産にかかわる保険業界へと足を踏み 入れたのは22歳のときでした。

 「男性だけの営業マンで、水戸に開設したばかり。社員として10人目の入社でした。中途で試験を受けて採用されたのですが、友人の姿が大人っぽくて、当時としては女性にもてたいとかスタイルが良いとかそんな動機でした」と振り返ります。

  しかし社会人となって仕事の悩みが始ります。「22歳で入社当時、営業なんてやったことがない。会社へ出社して午前中にじゃあ行ってきますといってもどこ へ行って良いのか分かりません。先輩に聞くと、友だちに会社員がいるよね。その会社の社長さんを紹介してもらえればと言われ、ダメ元でいいから名刺だけ置 かせてくれと言って、友だちや先輩の紹介で行ったところ、ある社長さんがちょうど保険の見直し中で、提案させていただいて、資料を作らせていただきまし た」と本名社長。
「聞いたことのない会社だと言われればちゃんと説明しました。でも、きちんとした説明で納得してもらえました」と保険の営業マンとしてのコツをつかんでいきます。

 一方、お客さまの方が知識の豊富な人もいます。自分の知らない点を突っ込まれると本名社長は「だと思いますなんて言ったら大変なことになります。『すみません、勉強させてください。次の宿題とさせてください』と言ってあやふやな返答を控えたのです」と言います。

 「それは20代だったから許される特権です。相手は年齢も上の方ですので、許してもらえるのです」と知らないことは正直に応え、さらに知識を学んで次のプレゼンテーションに臨むという、若さゆえの営業スタイルを築いて経験を積んでいきました。

  さらに、どんな営業マンになろうかと考えた本名社長は「相手の社長が求める営業マン像にいかに近づけるかと思いました。当然、社長さんは自社の営業マンに 嘘をつかれたり、言い訳されるのは嫌いじゃないですか。潔く素直になることで長く付き合いができるようになりました」と営業マンとして必要な素養を積み重 ねていきます。

 独立したのは30歳のときでした。当時、保険会社がつぶれるなどの社会情勢があり「『おたくの会社は大丈夫なの?』と お 客さまにも言われました。保険会社をメーカーとしてみたかったのです。セゾンというブランドという販売代理店よりも購買の代理店になりたかったのです」と 独立を決意します。

 入社8年目で役職ももらえ収入も一般サラリーマンよりもはるか上のレベル。保険の営業マンの世界は経費もかかるが 収 入も見込め、自分で確定申告する職場です。仕事を達成すればするほど、年間1千万円はのぞめるという実力社会。そのような環境を脱して本名社長は「ライフ 総合研究所」を立ち上げました。

 「周囲からはなんで辞めるの?と言われましたが、所得が三分の一、四分の一になってもやってみたいと 思 いました。保険が一社しか選択肢がないよりも複数の選択肢があった方がいい。後で後悔するよりも自分が間違っていなければうまくいくという可能性に賭けた のです」と、水戸市南町に事務所を開設。保険代理店業務の法改正があった2年後の平成10年に、当時としては数少ない「乗合代理店」が産声を上げたので す。

 本名社長は「収入が確保されるものはありませんでした。ゼロになることもあり得ました。でも自分の中で比較検討できるものを提供できるプロの代理店としての商品を提供できれば、超大手の保険会社とも渡り合っていけるのでは」と自らの思いを実行に移していきました。

 現在では水戸周辺には多くの代理店があり、商品の多様化や銀行や証券会社なども保険代理店として参入。業界の競争は激化しているようにも思えます。しかし本名社長は「競争が激しくなるほど私たちの存在は大きくなる」と、自信をみせます。

  会社経営者などの富裕層の顧客を抱える一方、開業から6年目には水戸では珍しい来店型保険ショップ「保険倶楽部」も千波町に立ち上げました。一般のお客さ まに対応できる土日も営業する予約制の相談窓口で、順調に顧客の信頼を得ています。さらに国内では群馬、福島、山形県にも営業拠点を設け、何とアメリカ・ ハワイにも「ライフ総合研究所」の拠点があるのです。まさにグローバルな保険営業で、自称「保険オタク」はさらなる発展を遂げようとしています。

  「保険のことなら本名さんだよねーと言ってくれる存在になりたいですね。保険は医者や弁護士と同じでお客さまの相談を受けて保険の処方箋を出してあげるの が仕事です。適当ではすまされない世界。少しずつでも知らなかったお客さまとの取り引きを広げていきたいですね」と、44歳と若き経営者は着実に行き先を 見つめています。

Pick up Success in IBARAKI

“後で後悔するよりも、自分の可能性に賭けて挑戦”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
保険業界では地域性は関係ない。東北地方などでは震災を機に保険を見直す傾向にあり、加入率が増加傾向の保険会社もある。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
私の場合8年間会社に勤めて、経験を積んだ。その自信があったが、経験は必要だ。運を持っている人と付き合うのも必要。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
地元のフリーペーパーなどを使って告知を行っている。地域密着の会社として広告宣伝も必要なものとして考えている。

これから起業する方への一言

“常に明るく前向きな思考で行くこと”

東日本大震災などで被害を受けてマイナスなことを言う人がいるが、常に明るく前向きな思考で行くこと。商品が売れない理由を考えるより、売れる理由を考えていく姿勢を持とう!順調な会社はすべてが前向きだ。

■トップが求める営業マン像を目指す
■若いときは素直に対応することが許される
■適当にしないでプライドを持って仕事にあたる



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