President file
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株式会社 トップハウスコーポレーション
代表取締役  滝田 裕二さん

日々全国の建設現場を飛び回り
韓国式床暖房を普及する

1975年、大子町袋田生まれ。茨城大学卒業後、大手ハウスメーカーに勤務。その後、病院勤務を経て「トップハウスコーポレーション」に入社。趣味は全国の施工現場を歩くことで、各地の風土や街の情景に触れること。「これから楽しみを見つけるのが、これからの楽しみです」と、忙中の閑に楽しみを捜す。

Owners Company
株式会社 トップハウスコーポレーション
TEL.029-269-6777
http://www.tophouse.co.jp/
水戸市大串町876

深夜電力を使った蓄熱式床暖房「オンドルエコノ」
日本国内販売の輸入元として全国展開する

日本の暖房システムに大きな変化をもたらす深夜電力蓄熱式床暖房「オンドルエコノ」を知っていますか?

韓国の家庭では一般的なオンドルを日本向けに改良し、深夜電力を使った蓄熱式床暖房の「オンドルエコノ」は、その名の通り、エコで日本の冬の生活を一変させる可能性を秘めた暖房方法です。

その日本販売元が水戸市大串町にある「トップハウスコーポレーション」という会社です。

「オンドルエコノ」の製品を説明すると、床下に玉砂利を敷き詰めその上にマグネシウムヒーターを張り巡らせ、さらにその上に玉砂利を敷き詰めたものです。

深夜の割安な電力を利用して60度~70度まで加熱し、深夜電力時間帯が終わった時点から放熱を開始。

砂利に蓄蔵された熱によって室内を25度程度に保つ暖房システムです。火気を使うことなく安全で、経済的にもメリットの多い方法として、多方面での活用が図られているのです。

「韓国では伝統的な床暖房の方法です。向こうでは釜戸が屋外にあり、その煙を利用して床下から部屋を暖めるのですが、日本では火をたくことなくヒーターで温めるのです」と滝田社長。

つまり、石焼きイモの原理で家を温めるという方法なのです。日本では玉砂利を使うことで温熱効果が高まりいつまでも、室内温度を保つことに役立つのです。

「日本では石油ストーブやエアコン、こたつなどその場に応じた暖房が主流です。でも、韓国の人が日本に来ると体に変調をきたすと言われます。

日本の暖房は完成されたものがない。

ホテルなどでは乾燥し過ぎていて、湿度が保たれない。日本は暖房システムにおいてははまだまだ後進国なのです」と滝田社長はオンドルのメリットを説明してくれました。

その不満を解消してくれたのが、このオンドルなのです。

オンドルエコノは新築時に導入することで、最大の能力を発揮します。

ダイニングを始めキッチン洗面所、和室、トイレ、風呂場や玄関ホールなど1階部分のすべての床を温めることができ、室内の床が畳やフローリング、カーペットを問わず優しい温かさを提供するのです。

もちろん、工期などの都合により、リフォームでも設置が可能な暖房システムで、長期的にみれば経済的に優しく、体にも優しい寒冷地に適した暖房方法です。

「砂利を使うことで遠赤外線効果を得ることができます。

一般家庭での利用がオンドルの主目的ですが、最近はさまざまな利用が図られています」と滝田社長はオンドルの応用方法を話します。

今後需要が増す高齢者施設の床や病院や店舗、さらに屋外の利用として雪国の自動車展示場など、雪や寒さに対応しなければならないあらゆる施設についての対応が可能で、今後も右上がりの成長が望めるのです。

日本の販売元となったトップハウスコーポレーションの滝田社長は大子町袋田の出身で、茨城大学卒業後、大手ハウスメーカーの営業を7年間勤め、その後、医 療法人に2年間勤務。住宅販売や病院で患者さんと接することで、日本の暖房システムについて疑問を持ち、自ら希望してトップハウスコーポレーションに入社 しました。

「この暖房システムは間違いない」との確信の元、営業活動のかたわら施工現場へ足を運び、顧客の信頼を得て行きます。2009(平成21)年に前任者から代表を引き継ぎ、社長として業務を受け継ぐこととなりました。

しかし「異文化のものを日本に取り入れるのには現場では戸惑いもありました。

しかし、工事内容などしっかり業者さんに説明して施工してもらいました」、やがて「これまでこれほど優れた暖房がなかった-というのは施工業者さんも施主さんも感じてもらえるようになりました」と滝田社長は話します。

滝田社長の行動力は、契約する工務店さんなどにも伝わりました。

「現場には必ず足を運んで、間違いのない施工をしてもらっています。

きちんと施工をしてもらうことで、施主さまの満足を得られます。

そのため、これまでほとんどクレームはありません」と自社製品に対しての確固たる自信をうかがわせます。

社長自らが現場に姿を見せて、工事の指導や施主との疑問に応える姿勢は、顧客への信頼と安心感を獲得していきました。それが「お隣がやって良さそうだから、うちでもやりたい」という口コミとなって広がり、「オンドルエコノ」は徐々に全国へと広がっていきました。

「500キロ圏内なら日帰りで現場に行きます」という滝田社長は、日々、全国を走り回っています。

それに加え、それまで自社の展示場であったスペースをデイサービスの場所として提供しようと、改装しています。

「オンドルエコノ」の恩恵を多くの人に分け与え、乳幼児からお年寄りまで快適に過ごせる住空間を味わってもらう。

福祉と「オンドルエコノ」の結び付ける努力を惜しまないのです。

 滝田社長は今も片道1時間半を掛けて、自宅の大子町袋田から水戸市の本社への出勤を続けている若き経営者です。

Pick up Success in IBARAKI

“現場には足を運び、正確な施工を徹底させる”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
自分は創業者から事業を継承したが、確信を持った商品で勝負すれば大丈夫。顧客は全国にいるが、懇切丁寧に説明すれば、販路は拡大するはず。
質問2起業する際にやるべきこと。また、必要な準備は?
私はお金主導主義に疑問を感じて、この会社に入社した。金儲けを目指したのでは事業としては成り立たない。顧客、施工者の視点で会社のトップになれたのだと思う。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
これといったプロモーション活動は行っていないが、口コミで販路は広がっている。最近は会いもしないでテレアポだけの営業マンが多い。人と人とのコミュニケーションを大切にすることが必要だ。

これから起業する方への一言

“コミュニケーション能力を深め合う大切さ”

私は「守」「破」「離」ということを訴えている。商品を守り、型を破り、代理店さんが広がっていってほしいという意味だ。これからはメールなどに頼らず、コミュニケーション能力を深め合う大切さを、再認識してほしい。

■扱う商品の良さを信じて、足りないところは補完する
■間違ってはいけないために、現場には常に足を運び、施工業者、施主とのコミュニケーションを図る
■信頼を得ることで、顧客は口コミで広がってくれる



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