President file
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株式会社 CLAP
代表取締役  飯村 晃弘さん

伸びしろは無限大。
次世代のニューヒーロー

城里町出身。多忙な毎日を過ごすが、趣味は海外旅行とゴルフ。季節に合わせマリンジェットやスノボーなどアクティブな面も。「自分がやりたいことをやるた めに、結果、起業したのでしょうね」と創業の動機を語る。将来は関東地区全域をシェアに見据え、レンタカーと飲食の事業を展開する。

Owners Company
株式会社 CLAP
TEL.029-288-2471
東茨城郡城里町石塚2219-2

自動車販売からレンタカー事業まで幅広く
さらに飲食店の運営・経営まで事業を成長させ続ける


 城里町という決して大きいとはいえない街に宿った、かすかな光。今回のストーリーは、その灯をまばゆい太陽に昇華させるべく奮闘を重ねる、飯村晃弘という 名のフロンティアのお話です。さて、恵まれぬ経営環境から、一気に抜けだす事が出来た秘訣とは。飯村社長のビジネス道は高校卒業後すぐに始まっているよう です。

まずは実家の自動車修理工場に入り、今も飯村社長にとって掛け替えのないパートーナーであり続ける「自動車」そのものを、深く学ぶ 修行期間に入ります。4年間みっちりと基礎を学んだ飯村社長、早速、気骨の入った行動に出ます。「修理するばかりでなく、自動車の販売もやりたい」と22 歳のときに独立。地元・城里町では数少ない自動車販売業を始めました。現在の社名でもある「CLAP」です。何とか事業を立ち上げた社長は次なる目標を掲 げます。「最初は友だちの紹介や口コミで地道に車の販売をしていました。個人事業主としてやっていたのですが、いつかは法人化して、会社として発展させた い」。その情熱は、着実に販売の業績を積み上げていきます。その秘訣は何よりも「ユーザーとの信頼関係」だったとの事。お客様の要望にすべて応えるという 精神で、社長は邁進を続けます。

そして3年後、その努力は実を結び、念願の法人化へこぎつけます。遂に事業を拡大させていく為の最も重要 なピースを手に入れたのです。「法人化するという事は、信頼を得るという事です。私のビジョンにとってどうしても必要なものでしたが、株式会社にするまで の道のりは本当に大変でした」と社長は当時の苦労を語ります。とはいえ、手に入れた信頼はすぐに社長の夢に貢献します。本業に密着した各種保険の代理店業 務も行い、さらには水戸・赤塚駅前に「ファーストレンタカー」を立ち上げます。

レンタカー業界は大手自動車メーカー関連会社が中心となっ ており、新規参入の難しい分野であると言われています。しかし飯村社長はあえて、この業界へ船を漕ぎ出していきます。現在は、「車」そのものに対する価値 観の変化や、低迷する経済状況によって、必要な時だけ必要な車をレンタルしたいというニーズは確実に高まっています。「時代もそうですが、実はレンタカー はお客様にとってメリットが非常に大きいのです。保険や整備も完璧で、安心して乗ってもらうことができますし、様々な車種を必要な時だけ借りられるシステ ムは、維持費を考えると格段にお得です。この古くて新しい仕組みをもっと世の中に広げたいんです」と、飯村社長はレンタカー事業参入の理由を語ります。 「会社としては水戸支店の立ち位置ですが、来年には県南にもう一店舗開設していきたいと思っています。さらに県外にも進出させていきます」と、並々ならぬ 意欲をみせます。

その一方、「元々食べることや飲むことは好きで、いろんな飲食店を巡っていました。そのような時に飲食店を立ち上げた 『レンフラッグ』という会社から声を掛かけてもらいました。私はその会社の社長の話を聞いて、経営姿勢に共鳴しました。そこで、その会社へ投資をし、今年 5月に執行役員として共同経営することになりました」と、今度は異業種への挑戦をアグレッシブに決意します。そのお店とは水戸駅ビルに店を構えるあの有名 店。「当時、レンフラッグは水戸駅エクセルみなみで『大香港厨房』という中華料理の店と、和食の『魚沼食堂』という2店舗を運営していました。やがて、埼 玉県川口駅前の百貨店そごうにも出店することになり、私達が立ち上げを行うことに...」。その後、飯村社長はエクセルみなみ店の運営に携わったほか、週に一 度、川口にある『レンフラッグ』にも顔を出し、売上管理なども行う多忙さを極める毎日。しかし、気力はむしろ以前より充実しているそうです。「魚沼食堂は 新潟県十日町をコンセプトにしていますので、文字通り魚沼産のコシヒカリを使っています。原価は非常に高いのですが、おいしいご飯でおいしい食材を味わっ てほしい」と、このお店に対する熱意を語ります。一般的な飲食店としては異例の魚沼産コシヒカリを贅沢に使い、しかも手頃な価格で食事を提供。夜は種類豊 富な日本酒を用意し、厳選した食材で味にうるさいグルメを引きつけています。

飯村社長は「当面はデパートやショッピングモールなどに出店 していき、将来はFCに持っていければと思います。そうなったら、自分のやりたい路面店としてオープンさせたい」と未来予想図を描きます。「自分が本業以 外にも手を出したことに、心配する人の声もあります。『飲食業は当たり外れがある』。それも分かります。でも、自分がやりたいことは止められません。人生 は一回きり。本業は大切にしながら、慎重に会社を発展させていきたい」と、果敢に挑戦する姿勢を保ち続けます。

自動車販売から身を起こし、レンタカー業務へと事業を発展させ、さらに飲食業へと異業種へも参画。今だ32歳という若さと行動力で、疲弊した現在の経済状況に立ち向かおうする飯村社長。

「私 が高校生の頃は、水戸に活気があった。どうしたら水戸を盛り上げていけるか考えたい」という飯村社長。その為には若者の力が必要と考え、水戸市議会議員の 小泉康二氏の後援会「若人の会」の会長を務める程。こうして未来の水戸の街を考慮し地元愛にも熱い情熱を注いているのでした。

Pick up Success in IBARAKI

“お客様を大切にする苦労は報われる”

質問1茨城は起業するのに適しているか?
自動車業界での起業は難しいと思う。レンタカー業界も駅前には多くの先発同業者が出店しており、新規参入は大変。それなりの覚悟を持つことが大切。
質問2経営を始める際にやるべきこと、また、必要な準備は?
自分は個人事業主から始めたが、法人化するのに必要な資金はコツコツと貯めていった。法人化するにはリスクも伴うので、タイミングも見図ること。
質問3この土地で有効なプロモーション活動は?
水戸駅構内にレンタカーの看板を設置した。いつも見てもらえることで、お客様の意識付けができる。雑誌などに広告を掲載することも有効だ。

これから起業する方への一言

“お客様の信頼と安心が会社発展の基本”

起業するには難しい時代だと思うが、その人なりのやり方があると思う。自分は苦労したが、お客様を大切にすることを忘れないことだ。会社を一気に大きくすることは難しいが、やらなければならないときが必ずあり、そのときは全力で対処して行く。それがお客様の信頼と安心を生んで会社の発展の基本になる。


■自分のやりたいことに信念をもつ
■異業種でも自分を信じて前に進む
■地元に対する社会貢献への道を絶えず模索する



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